オンラインコミュニティの作りかた(実践編)

運営準備

 実際にオンラインコミュニティを運営する際のポイントをご紹介します。
 
各メンバーが安心して発言できる「場」をいかに構築するかという点ではリアルの会議や研修でも共通するポイントがいくつもありますが、オンラインコミュニティをならではのノウハウもあります。
 
立ち上げ段階で必要なポイントを順を追って挙げてみます。

1、参加メンバーをコントロールする
2、自己紹介の機会を設ける(アイスブレーク)
3、発言ルールを設ける
4、主題に関係ない「サロン」を設ける
 



1、参加メンバーをコントロールする
 
ネットでのコニュニケーションは、対面に比べてどうしても「親和動機」が低くなりがちです。つまり対面では、
 
「対立を避けてできるだけ仲良くしよう」
 
という気持ちが自然に働くのに対して、ネットではその傾向が弱くなるのです。
 
匿名性が高く、誰でも書き込めるネット掲示板などが良い例ですが、どうしても不特定多数の人が入り混じるコニュニティは荒れがちです。(もちろんうまくいく場合もあります。)
 
FlowPADを含む登録制のコミュニティは管理者が参加者の登録情報を管理しているので、荒れることはほとんどありませんが、自分が運営するオンラインコミュニティが「荒れる」のを防ぐためにできる最も基本的な対策は、参加メンバーをしっかり管理することです。
 
当たり前といえば、当たり前ですが、参加メンバーが事務局でしっかりスクリーニングされていることは、参加者に安心感を与えます。
 
また参加者当人にとっても、自分はしっかりモニターされているということが分かる訳ですから、暴走発言したい衝動に駆られても、自己抑制することができます。
 


2、自己紹介の機会を設ける(アイスブレーク)
 
メンバー同士が自己紹介する機会を設けることで、メンバー間の匿名性がぐっと低くなり、協調的な雰囲気が生まれやすくなります。
 
またお互いにバックグランドがある程度分かれば、相手の発言の真意が推測しやすくなったり、自分の発言が悪意に解釈される可能性が少なくなるため、投稿への安心感が生まれます。
 
ただし、事務局がいきなり
 
「みんな自己紹介してください」
 
と促しても、慣れない参加メンバーにとって心理的なハードルが高いものです。
 
もともと人は、自分にメリットがある(ありそうだ)と感じない限り、積極的にプライバシー情報を公開しないのが当たり前だからです。
 
したがって、自己紹介することのメリット(例えば人的ネットワークが広がる、講師から具体的なアドバイスが受けられるなど)を最初に伝えましょう。
 
また自己紹介の方法にも、ひとひねり加えると良いかもしれません。
 
例えば
 
「自分の好きな本を紹介してもらう」
「最近あった嬉しいことを話してもらう」
 
といった話しやすい定型フォーマットを提供し、それと絡める形で自己紹介してもらうと、比較的スムーズに発言してもらいやすくなります。
 
また各メンバーに「最低3人の自己紹介に必ずコメントしてください」といったリクエストをすると、盛り上がりやすくなります。

もちろんそう言っても、一つのコミュニティに何百人もいると、メンバー間の親和性は低くなります。その場合は
 
ー全員が参加している「メインコミュニティ」
ー参加時期や年齢など、何らかの共通項でくくった「サブコミュニティ」
 
に分割する方が良いでしょう。
 


3、発言ルールを設ける

人によって、言葉の使い方にはスタイルがあります。対面であればストレートな表現であっても、身振りや表情などでその真意が推測しやすいのですが、文面だけの場合、どうしても攻撃的に見えたり、冷たく見えたりすることがあります。
 
そこでコミュニティにはあらかじめ”共通ルール”を設けることをお勧めします。(途中で設定すると「誰かへの当てつけではないか」という別の解釈が生まれ、問題を複雑にすることがあります)
 
もちろん社会人同士のコミュニティにであれば、厳密なルールを設定しなくても「常識の範囲」で自然にうまくいく場合が多いのですが、一旦問題が起こるとそうも言って入られません。
 
その意味で、
 
「投稿が必要以上に攻撃的になっていないか注意しましょう」
「理解が不足しているかもしれない点は、聞いてみましょう」
 
といったルールを設けることが肝要です。
 
→「投稿ガイドライン」のサンプルはこちら
 


4、主題に関係ない「サロン」を設ける
 
それぞれのテーマについて深くディスカッションすることは重要ですが、そこから派生して、テーマに絞られない自由なコニュニケーションの中から、新しい気づきが生まれたり、イノベーティブば発想が出てくることも少なくありません。
 
意図としない学び(=adhoc/Informal Learing)を促す上でも、何でも自由に投稿できるサロンを設けておくと、意外に盛り上がることがあります。
 
以上、ポイントをご紹介しました。


5、まとめ
 
このようにしてユーザー同士が交流を深めるレベルが一定以上に達すると、管理者や講師が過剰に介入しなくても、ユーザー同士が自発的にモチベーションを高めあう動きが自然に生まれてきます。
 
結果的に、オンラインコミュニティを通じた「パーソナルな結びつき」は、顧客維持機能として働くようになります。
 
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