質問の投げかけ方
実際のオンラインコミュニティのベーシックな運営フォーマットは下記の3ステップです。
1)コンテンツを見てもらう
2)質問を投げかける
3)ファシリテーションを行う
では「質問を投げかける」際に、どんな点に気をつければ良いのでしょうか?
「Open Question」 と 「Closed Question」
質問には「Open Question(開いた質問)」と「Closed Question(閉じた質問)」の2つのタイプがあります。
● OPEN Question (オープンクエスチョン)
→広く意見を引き出すための質問 (例:**についてどう思いますか?)
● CLOSED Question(クローズドクエスチョン)
→「YES」か「NO」で答えさせる質問(例:**に賛成ですか?反対ですか?)
通常オンラインコミュニティでは、参加者の多様な意見を引き出すためにOPEN Questionを中心に使います。
もちろん、最初にClosed Questionで「消費税引き上げに賛成か、反対か」など、立場の違いをはっきりさせてから、その根拠をOpen Questionで明らかにしていく方法もあります。
しかし、参加者間でまだ信頼関係が十分構築されていない場合、立場の表明をすることに心理的なハードルがある方も多いので、通常はオープンクエスチョンを使ったほうが無難です。
オンラインコミュニティで使いやすいオープンクエスチョンの例を紹介します。
「このコラムを読んで、特に印象に残った点は何ですか?」
「なぜ、**さんはこの仮説に至ったのでしょうか」
「あなたも同じような経験をしたことがありますか?その原因は?」
「この会社の価格戦略についてどう思いますか?」
「**社長の考えについて、あなたはどう感じますか?」
「あなたがこの会社のコンサルタントなら、どうアドバイスしますか?」
ディスカッションは3つのタイプ
テーマには3つのタイプがあります。
1)事実論題:過去/現在/未来の有無を論じる
→例:「将来AIが我々の働き方を変える」「シンギュラリティがやってくる」
2)価値論題:価値があるかどうかを論じる
→例:「現政権は、前政権よりよい内閣である」
3)政策論題:政策の是非について論じる
→例:「日本はサマータイムを導入すべきだ」
「軽減税率制度は導入すべきではない」
通常は1→3に近づくほどエキサイトしやすくなります。
したがってファシリテーターは、積極的に介入し、みんなの考えを引き出すためのヒントを出したり、思考を進めるための議論の拡散収束をアシストする必要が出てきます。
ただ、参加者が対話に慣れてきて、ユーザー同士の信頼レベルが一定以上に達すると、ファシリテーターや講師が過剰に介入しなくても、不毛な炎上は自然回避され、ユーザー同士が自発的にモチベーションを高めあう動きが生まれてきます。
結果的に、オンラインコミュニティを通じた信頼関係や「パーソナルな結びつき」は、コミュニティ維持機能として働くようになります。