同期と非同期をうまく組み合わせる

ビデオ会議は同期型

ZOOMやGoogleミートなどのすぐれたビデオ会議ツールが次々と登場しています。
 
これらのツールを活用することで、たとえば社内会議を離れた拠点間で行なったり、フィリピンのネイティブスピーカーが自宅のタブレットと通じて登場し、英語を指導してくれたりするようなことが可能になりました。
 
接客も、営業も、学校の授業も、そのかなりの部分が、こういうシステムにどんどん置き換えられていくことは間違いありません。
 
ただし、同期型であるビデオ会議システムは、特有の弱点も抱えています。
 
それは「特定の時間を拘束する」ということです。
 
インターネットの最大のメリットの一つは「時間を解放する」ということです。
 
もちろん、会議の集合場所に集まらないで良いという意味では、ビデオ会議の価値は大きいのですが、10人、20人が時間を合わせて、ネットに同時接続するのは意外に大変です。
 

何でもかんでも「同期型」が良いわけでない

同期型のライブ会議は、一体感を生んだり、リアルタイムでやり取りできるなど多くのメリットがあります。(スクールのようなところで「ライブで授業をします」と言えば、最先端のイメージを打ち出すこともできます。)
 
ところが、回を重ねるほど、ライブ授業の満足度が低下するケースが意外に多いのです。
 
実際、私が運営責任者をしていたMBA(ビジネススクール)でも同じ状況が発生し、試行錯誤した経験があります。
 
参加者の不満が大きくなる主な理由は下記です。
 
1)特定の時間を拘束する
特定の時間(例えば、毎週1回)に、落ち着いた静かな場所でネット接続しなければならないというのは実際は大変。
 
2)実はライブである必要がない
参加者間のワークやディスカッションを通じて、だんだん進捗していくような内容でもない限り、実はライブである必要がない会議や授業(講義)が多い。
 
3)発言のハードルが高い
ビデオ会議で発言しようとすると、カメラを認識しなかったり、マイクの音声が小さくて聞こえないといったテクニカルトラブルが発生しがち。また自宅で参加している場合、部屋の背景が写ってしまうのを躊躇したり、部屋着で参加するわけにもいかないので、準備に手間がかかる。さらに参加者が多いと、教室で発言する以上に心理的なプレッシャーが高い。
 
 4)質問のファシリテーションが案外大変
参加者が発言がコントロールできずに、時間が押してしまうことがよくある。
 
ビデオ会議は同時に議論が飛び交うようなものは案外苦手で、特定の質問者が、何が言いたいのか分からない質問をしたり、質問の形を借りて自分の意見を長々と述べてしまうとなかなか止められない。その結果、他の人はその人が喋る終わるのをイライラしながら待つ状態になり、セッションの最後が尻切れとんぼで終わってしまうことがある
 
(「論点がクリアな質問をする」には訓練が必要です)
 
そこで終了時間に厳しいライブ配信では、講師が喋っている画面横で、チャットによるコメントがどんどん表示され、その一部に講師がリアクションしながら、進めていくという形式が多くなる。ただ運営の都合上、大部分の質問はスルーせざるを得ず、参加者同士が議論することも実質的には不可能。
 

うまく非同期を組み合わせる

ライブの良さを生かしながら、参加者が理解を深められるように一つの方法は、非同期型のコミュニケーションツールをうまく組み合わせることです。
 
その点、オンラインコミュニティなら、特定の時間を制約しないので、とことん議論を深められます。
 
数日〜1週間単位のゆるい同期性を担保することで、きちんとディスカッションも成り立ちます。
 
またルールをきちんと決めておけば、ネット掲示板のような荒れ方をするケースはレアです。
 
さらに参加者同士が議論することもできますので、講師に過度に依存することなく、そのやりとり自体がコンテンツになり、参加者の理解を促進します。
 
同期には同期、非同期には非同期の良さがあります。そのバランスをとりながら、うまく全体を設定することが、クラスの価値を高める上でのキーになります。
  

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事例は「ルーム設置例ページ」に記載していますのでご参考ください。
 
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